ロシア・ウクライナ戦争に関するKindle芸人と思われる二見龍さんの本を読んだ。
ロシアによる2014年クリミア戦争ではハイブリッド戦争と言われる従来の正規軍/非正規兵を用いた戦争に加えて、サイバー戦/情報戦を組み合わせた戦争となった。ハイブリッド戦争を単純化するとサイバー戦を先行したインフラ破壊を行うことで情報の取得を制限、混乱をもたらし、その後にピンポイントで軍隊により制圧することで短期かつ損耗が少なく結果としての勝利を得られることとなった。
2022年ロシア・ウクライナ戦争でもロシアは2014年と同様ハイブリッド戦争を仕掛けることとなった。だがウクライナは8年間の間にハイブリッド戦争への対策を行っていた。その結果としてハイブリッド戦争は変わらず、最新の技術をもちいた従来型の物量を利用した戦争への比重を置いたものに変わることとなった。
戦争の内容は技術発展も含め様々変化はあるものの、兵站に関しては地上部隊を動かす以上避けて通ることが出来ず戦略において重要なポイントであることに変わりはない。
ロシアが戦略を変更する原因の一つにも兵站があった。ロシアの兵站に関してもウクライナの小規模部隊による攻撃や地理的な有利などが功を奏しロシアの戦略変更に大きく寄与した。
本書を読んでいてなるほどと思ったのは、人道回廊が兵站の補給路とイコールとなることが多いという点。そりゃ人道回廊を攻撃したくもなるなという気持ちと、人道回廊のルートを分析することで、その後の戦略が変わることもあり得るだろうなと思った。
あとは損耗率の話はメモ程度ですが、10%の損耗率で戦闘に支障が出始め30%で戦闘継続困難となり部隊再編が必要となる。50%に達すると全滅扱いとなるらしい。