脳に関する知識をアップデートしようと手に取った本でしたが、非常に面白い本でした。特に「1000の脳理論」という新しい脳理論について書かれている第1部は、今まで自分が考えていた常識のようなものが覆され、全て実験によって解明された訳では無いにしろ「1000の脳理論」で考えると矛盾や説明ができなかったものがキレイに説明できるようになるというものです。
面白いと思った点はいくつかありますが、一つは大脳新皮質はどの場所も殆ど同じカラム構造をしているという点です。一般的に脳を語るときには視覚野だったり言語野だったりと脳を領域ごとに分けて語られることが多いわけですが、新皮質だけを見る限りどの分野も構造は一緒であり、その新皮質が接続している元によって機能が変わっているだけであるという点です。それだけ新皮質は視覚に特化するというような、なにかの機能に特化した作りになっていないことで、目が見えていなかった人が視覚を失った場合、その視覚野だった場所が別の役割を担うことができるという事象が確認されるということだったのですね。
また視覚野や言語野といった機能を担っている新皮質の領域は人によって面積が多少異なり、特定の機能を担っている新皮質領域に大小があるという点にも驚きました。ただ、この点はサラッと書かれていたので実際に人によってどのような差異が出てくるのかなどは分かりませんでした。
脳のニューロンの話も今までニューロンという1種類が存在していると思っていましたが全然そんな事はなくて多くの種類がある点や機械学習でよく使われるエッヂを検出するような機能を持つニューロンは殆ど存在しないという点も驚きです。
メインの「1000の脳理論」については、脳が座標系と動きの2種類によって世界を捉えモデル化しているという理論ですが、たしかに本書を読んでいると納得感があるとともに、それがモノ以外の概念の学習にも用いられている点に興味を惹かれました。この理論を用いると本書でも出てくる「記憶の宮殿」の説明もつくわけで、そこまでは理解できたのですが、「1000の脳理論」に基づく効率的な学習方法とは一体なんだろう?という疑問から抜け出せなくなりました。積極的に座標系をいかしながら学習することというのは「記憶の宮殿」方式しか存在しないのだろうか...
読んでいてふと思ったのが「分かったつもり」という状態は、脳の予測機能活性と関係があるのではないか?ということです。活性化の電位レベルとかが計測できれば、何かわかったりするのかもしれないなと思いました。
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