[読了]NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える

金融の世界が大きく変わってきていることを肌で感じることができる本でとても面白い。

暗号資産、ブロックチェーンまわりをはじめ新しい金融の形が少しずつ変化し、また日本においてもキャッシュレスを推し進めるなど日本における金融市場も徐々に形を変えようとしています。

本書では更に先の世界を感じる事ができて、N26からヨーロッパにおける動き、思想などは非常に面白かった部分。EUで施行された「決済サービス指令」(PSD2)まわりは殆ど知識がなかったのですが基本理念は「顧客は、自身の口座情報を活用する第三者のサービスを利用する権利を有する」としているもので、ここで2つのキーワードが出てきます。

  • AISP(Account Information Service Provider) : ユーザーの明確な意思に基づいて、ユーザーの口座情報を銀行から取得し集約するサービス
  • PISP(Payment Initiation Service Provider) : ユーザーの明確な意志に基づいて、銀行に対して決済・資金移動を支持するサービス
この2つ両方とも「ユーザーの明確な意思に基づいて」と付き、顧客が主導権を握る事、顧客自身が主体であることを明確に伝えています。EUで施行されたGDPRの話題も記憶に新しいと思いますが、そちらも同様にデータに関しユーザ自身が主体となりデータの提供先を選択したり、データの利用され方などを選択、オプトアウト可能とすることをうたっています。

またEUではオープンバンキングの義務付けがされたことで、このPISPと組み合わさると例えばあるスマートフォンアプリでは複数の金融機関が提供する定期預金みたいな商品が並んでいて、一つの「銀行」という枠に囚われず商品を選択し、資金が移動できるようになるのではないか?とか色々と考えを巡らせてしまいました。

銀行間取引の24時間化は完了し取引手数料の無料化も着々と進んでいますが、ユーザ側に主権が戻り自分でコントロール出来るようになることでの可能性を肌で感じました。

一方で現在の大手金融機関を変える事は非常に時間がかかると思うと同時に、本書でも言及されていますが本人確認や犯罪組織に対する防衛など既存の様々な守り業務を行っている事から変化はさせず認証機関としての立ち位置として現在のポジションを守ってもらい新しい金融分野を別に立ち上げることは出来ないものかなという気持ちにもなりました。
暗号資産まわりは色々事件もあり結局厳しい規制の中に入ることになりましたが他に展開できないものかと。

あとやっぱりちゃんと調べておきたいと思った事は信用スコアリングの部分。ここに対するアプローチなくして新しいサービス展開は出来なそうだということと、もう一つ「ホモモーフィックエンクリプション(homomorphic encryption)」、これは自分も全く知識がなかったので調べたい内容。本書で書かれていた内容からの想像ですが、例えば成年 or 未成年の判定をしたいときにどこかの「情報銀行」のようなところに年齢を紹介しにいくと実年齢が提供企業に対して渡されてしまうのですが、例えば booleanでtrue / falseで返却されるみたいな内容になると思います。

自分の個人データは自身でコントロールしつつ、必要最低限の内容を各サービスへ提供することでサービス提供はきちんと受けることができ個人情報をむやみやたらに渡す事もない。本書では特定のグループに所属していれば、それを元に判定するというような内容が書かれているので実際はニュアンスが異なるかもしれませんが、昔自分に対するタグを付ける事でサービス展開できないか?と考えていた時期があるのですが、それに似たロジックなのかもしれません。

この部分は自分で調べながら次のサービス展開や次の時代に思いを巡らせようと思います。

あとは世界から日本の銀行がバッシングされているインパクト投資絡みだよね…もし仮に日本でインパクト投資に対してユーザに知識があったら今であれば大手銀行に預金せず、投資先が分かる低リスクの投資信託あたりに投資をするか、もしくは地方銀行に預けるくらいしか手段はないのかな…


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