[読了]USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
この本は日本全国のマーケターの必読書ですね。
僕自身、本書で「当たり前」と思われている部分さえ出来ていない事に、非常に恥ずかしさを覚えました。

本書は森岡氏の奮闘記録、マーケティングのフレームワーク解説という2つの側面だけでなく、当たり前ですがUSJ自体のマーケティング本になっています(笑
USJのハリーポッターのアトラクションに対して何度もリピートをしたくなるような素晴らしいマーケティングが出来ているように感じます。

業績が低迷していた時期に入った森岡氏ですが、入社した時点で自身のマーケティングフレームワークから導き出された「ファミリー層を取り込む」事や「関西依存の集客構造からの脱却」、「パークの効率的運営化」という3本の柱を元に様々なアイディアを実現させていき、最終的にはV字回復へと結びつけます。

そこへ向かうためにはやはり会社としての意識の変革から、マーケターとしての行動までをこなしています。意識改革ではUSJというものに対するイメージ、それ自体をリフレーミングし、「世界最高のブランドを集めた『セレクトショップ』」と位置づけ、会社を説得します。

それはエンターテイメントが「感動の大きさ」で決まるものだと大枠で再定義した結論でもありますが、一度エンターテイメントとは何かという原点に立ち返ることによるリフレーミングには脱帽です。

私自身、今現在USJへ行ったことはないのですが、「ユニバーサルスタジオ」の冠の下にモンハンがあったり、ワンピースがあったり、バイオハザードがあったりという姿は、とても想像できないのですが、実際に入ってみると、とても楽しめたりするのでしょう。

また本書では代表的なヒット作が事例としてあがっていますが、スポットのイベントを沢山打ちながらリピートしてくれるお客様を増やしているようですね。

本書では森岡氏自身の「イノベーション・フレームワーク」も紹介されています。
ポイントは以下の4つ

  1. フレームワーク
  2. リアプライ
  3. ストック
  4. コミットメント
です。良いアイディアを生み出すために、最初に最も大切なことは「何を必死に考えれば良いかわかっていること」と森岡氏は言います。これは当たり前の事なのですが、実はほとんどの人がよく考えていない点で、それを明確化させるためにフレームワークを用います。

■戦略的フレームワーク
目的、戦略(必要条件)、戦術(アイディアそのもの)の3段階を必ずその順番で考えること。
目的とは、そもそも達成すべき命題はなにか?ということ。
戦略とは、目的達成のために経営資源を何に集中するか?ということ。
戦術とは、具体的にどのように実現させていくのか?ということです。

■数学的フレームワーク
足して100になる仮設を立てて検証するやり方。
例えば「集客数が減少している」という問題は現象にすぎず、問題そのものではありません。
「子供連れファミリーの集客が下がっているのか?あるいは女性の集客が下がっているのか?」という問いも誤りです。
子供連れファミリーと女性を足しても100にはならないからです。

例えば「男性の集客が下がっているのか?女性の集客が下がっているのか?」など、母集団全員に対し、足して100となるように切って、宝を探すという考え方です。

この辺りは普段意識していなかったなと反省しました。
なんでも数字をこねくり回せば、結果は自ずと・・・というのは言い過ぎですが、たぶん僕の仕事はそれに近い雑さがあったと思います。

また、「リアプライ」は外からアイディアを拾ってくる事を指します。
「ストック」はそのままですが、「情報の質的・量的な蓄積」のことです。

「コミットメント」とは、どれだけ必死に考え続けられるかという事ですが、この点は反省が多すぎて、本を読みながら森岡氏に何度も尻を叩かれた気分です(苦笑

「アイディアは絶対に見つかる。すでに存在するのに自分が見つけられていないだけだ」と思うことを自分に言い聞かせながら、ひたすら考えなければなりませんね。

本書を読んでいて、森岡氏がとても「熱い」方だというのが非常に伝わってきましたし、面白い方だということがわかりましたが、普段からゲームをして自分で体験をするということを心がけているのが、また凄いです。モンハンなどはその賜物なのですが。

もちろんこれは、森岡氏自身のマーケティングに対する基本理念に則った行動でもあるのですが、いつも遊ぶゲームが「今流行っているから」というマーケティングデータに寄るわけでもなさそうです。
おそらくエンターテイメント全体が大好きなのでしょう。

海外では最近発売されたDestinyの大ヒットを受けて、様々なマーケターが分析をしています。
流石にUSJでDestinyの世界が再現されることはないとは思いますが、森岡氏のことですから何らかのリアプライから新しいUSJの世界が再現されることになるかもしれませんね。


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森岡 毅
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