本書の最初の方に書かれていますが、「デザインマネジメントとは、どんな想いで、どんな価値をユーザーに届けるかを総合的に考えること」であるとしており、その思想について本書で事例を交えながら細かく説明されています。
昨今「デザインシンキング」が海外だけでなく、国内でも話題になるようになり、何かのサービスを構築する場合にもユーザーモデルやカスタマージャーニーマップ、アクティビティまで考えることが推奨されるようになってきました。
一方で左脳的な面では数値を使って、数字をこねくり回して、または事前にプログラムした数式が勝手に弾きだして解決を導き出していくという「データサイエンス」が台頭してきました。
本書を読むまで、「デザイン」の分野の何らかのプロセスは数値的な解決に置き換えることができるのだろうか?という問いが僕自身の中での最大の疑問であり、課題であり、そして数値的に置き換えていきたいという願望がありました。
それは「デザイン」に関して良くも悪くも様々なフレームワークがあり、方法論がある。そしてその結論は1つではないという事実。それは権威や経験による差を生み出すものであり、社内にファシリテーター役がいるべきだとも思うからです。
似たような業界は沢山あります。
もちろん、経験によって大きく差がでる原因の一つには、そういった方法論ではなく考えが足りないだけなのかもしれません。
普段インターネットの世界で働いているということもあり、この点は例えばサービスを提供する側が想定した情報設計や導線と、実際のユーザーの動きが違う部分は数値化しやすく、その「ズレ」を計測し、次の施策を打つという事である程度解決は可能です。
しかし、これはあくまで「as-is」の世界。すなわち現状分析とその最適化のお話。
本書はプロダクトという世界だからということもあるかもしれませんが、「to-be」の世界。すなわち、あるべき姿や新しい可能性を示すという立場の話がメインとなっています。
スティーブ・ジョブズでいうところの
製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。
という部分のお話です。
もちろん「デザイン」という意味では「as-is」であろうが「to-be」であろうが、どちらも同じプロセスにより最適化だろうが、0から1を生み出すことだろうが出来るでしょう。
ただ、やはり左脳側へ全てを代替できるということはない・・・と言わざるを得ないですね。
いや、まだ可能性は考え続けていきたいとは思っていますが。
もう一つ本書では、所謂絵やイラストや何かそういった、従来から日本で「デザイン」と呼んでいるものに関しては「意匠」という言葉を使い、田子さんの言う本当の意味での「デザイン」に関してのみ「デザイン」という言葉が使われているところに、非常にこだわりを感じますので、読者の皆様にもその点には注意しながらちゃんと読み進めてもらったほうがイイなと思いました。
最後に、デザイナーの仕事とは、「なぜ作るのか?」「何を作るべきなのか?」を熟慮して創造的に計画を作成する事。という点を常に頭に置きながら仕事をしていきたいと思いました。
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