その一つに、このAI・全脳アーキテクチャがあると思っています。
本書ではそのAIについての松尾さんと、塩野さんの対談が収められており、これを読むことでざっと現在のAIというものを俯瞰することが出来ると思います。
AIを研究し、それが社会にもたらす影響や効果というものは様々なモノが想像出来ると思いますが、今現在ビジネスにおいてPrediction、即ち予測の精度をいかに高めるかを追求しています。
今までのRFM的な発想、即ち企業側が顧客一人ひとりの購買行動のきっかけは良くわからないが、最終購入日や購入金額、購入頻度などの軸から何となくユーザーを捉え、マーケティングを行っていくという段階から、一人ひとりのユーザー行動からユーザーの興味や行動パターンなどを元にクラスタリングしたり、行動を元にプロファイリングデータを作成していき、次の行動を予測したりバナーの効果を高めたりすることを追求しています。
この辺りは所謂ビッグデータの活用と言われている部分で、今後ディープラーニング技術を導入することによって、一人ひとりのユーザーに対するPredictionの精度を高めていくのではないか。
そう感じています。
もし仮に住所や名前と言った所謂個人情報が存在しない状態で、単なる行動データだけの解析をもって、一人ひとりのユーザーのPredictionをある程度の精度で提供できるとしたら、それは精度の高いプロファイリングデータとなり、それもまたパーソナルデータとなっていきます。
World Economic Forum(ダボス会議)ではパーソナルデータを以下の3つに分類しています。
- Volunteered data : 自発的生成データ
- Observed data : 観測データ
- Inferred data : 推定データ
ナイキのようなメーカーが無料または低額で身体情報を計測するツールを提供し、そのデータを企業へ提供する見返りとして、スマートフォンアプリでデータを蓄積させて成果が確認できたり、他人と比較したり自分の健康状態や習慣を把握出来るようにさせたりしています。
モノのインターネットと言っても良いと思いますが、IoTやセンサー情報などの観測データは一見企業にとって他社へ販売する価値もないデータのように見え、お金になるのはあくまで個人情報ではないかとする議論もありますが、実はそうではないと考えており、前にも別の本の感想で書いたのですが人の行動を予測すると言った場合、tの次はt+1が来るという決定論的な部分でtからt+1の間に何らかのコンテキスト情報が含まれていると考えられます。
即ち、tからt+1の行動が導かれるとき、そのt+1になる条件にたとえば週に10キロ以上走っている人みたいな観測データが含まれている可能性があるのです。
広告で言うならば、1つのバナーを見せた時、行動が半々にわかれたとするならば、それを別れさせたコンテキストが何らか存在しているはずなのです。
本書もそうですが今ビッグデータやAIで議論されていることは、統計的な手法で人をクラスタリングしたりとグループという単位を意識しますが、特定のPredictionに対しユーザー行動データを取得し、再びクラスタリングされ・・・という過程を繰り返す先には前にも書いたとおり、一人ひとりに異なったPredictionが生まれると考えられます。それはあたかもコンシェルジュとも言えると思うわけですが、最終的には一人ひとりのコンテキストを把握し、誰一人として全く同じPredictionは導かれない状態になると思っています。
この辺り、私自身なかなか頭のなかで整理がついていない部分ではあるのですが。
一方で少し話が変わりますが、精度の高いプロファイリングデータに関してはk-匿名性尺度という概念でパーソナルデータという枠組みから外れるという解釈も出来るのかな?ということも考えてしまいました。
本書ではAIについての将来的な見通しは結構保守的な印象を持ちましたが、個人的にはフューチャリストのレイ・カーツワイル氏の本を読んだ影響か、もっと大きな変化を望んでも良いかな?と思っています。
まだ全然自分の頭で整理ができていませんが、2015年の変化に対して、自分がどの立場で参加し、当事者として立ちまわるかを最近はよく考えたりしています。
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