本書では筆者の所属する「博報堂ケトル」での手法や考え方を一望し、「博報堂ケトル」がなぜそのような組織体となったのか、あるいはならざるを得なかったのか、という部分も実際の成功ケースを通して見ると何となく理解できる。そんな本のように感じました。
タイトルにあるように「売る」というゴールに対して成功しているパターンを紐解きながら、売れるために必要な要素を"自転車を漕ぐ"という擬似的な絵を使いつつ説明をしていきます。
ちょっと不思議だなと思う図もありますが、各成功事例において共通なものは「共感」かな?と思いました。
まだちょっと雑な状態ではありますが、例えばヴィレッジヴァンガードさんの例。
田之上さんという方が起点となり、田之上さんとスタッフで思想が共有されており心的距離もかなり近いと思われます。
そしてスタッフが売り場を自由に作るわけですが、その上での「スタッフ」と「卸し」との距離感と、「卸し」と「メーカー」の距離感は等距離なのではないかな?と思ったりします。「アーティスト」側との距離はもう少し近いのかもしれませんが、最終的に「売り手」の作った世界観に対する共感が「売れる!」に繋がるのかな?と。
そういう意味では、少し図の位置に違和感があったりしますが自転車の駆動部分をベースに図が描かれているのでしょうがないのかな?とも思いつつ。(問題はそこじゃないw
「売れる」という部分に対するアプローチとして、確かに成功事例ごとに様々なアプローチをしてはいますが、もう少しmeta的に一旦俯瞰してみるのも良いのかなと思ったりしました。
本書内で「デザイン思考」という言葉が一回だけ出てきますが、売れるまでのストーリーを作ったり、多面的に買い手側へメッセージを伝える部分は非常にサービスデザイン的で良いなと思うと同時に、デザイン思考では「売る」という部分に対するアプローチが「Hopefully」(売れたら良いな)に偏りすぎているのかもしれない…と少し思ったりしました。
確かにデザイン思考でタッチポイントを考えたり、ユーザストーリーを考えたり、インタラクションデザインを考えたりと様々検討はしているものの、僕が深く勉強していないだけかもしれませんが主体的に「売る」というアクティブな部分については、あまり考慮されていないような気が少ししてきました。その気づきが得られただけでも凄く良かったですね。個人的には。
石原篤
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