本書のタイトルである「ロケット科学者」というものは実際には物理学者だったり天文学者だったりする訳ですが、火星へ探査機を飛ばす事であったり、宇宙へ人を送る事というものは、それまで誰も達成出来なかった事であり、実現させようとしてこなかった事であり、全く予想出来ない目標であるわけです。
そんな誰も想像出来ない目標を達成するために私達はどのように思考すれば良いのでしょうか?
本書ではそんな"ロケット科学者"の思考法を学びながら、私達が新規サービスを展開し他社を真似るのではなく、本来の意味でのゼロからイチを立ち上げ(最近新規サービスを立ち上げる = ゼロイチという話のされ方をされているような気がします。。)、新しい市場を開拓していくのかを学ぶ事が出来ます。
本書は大きく3つのパートに分かれています。
- 発射 : アイディアに点火
- 加速 : アイディアに磨きをかけ、画期的なアイディアをテストする
- 達成 : 失敗と成功について考える
まず1の「発射」の部分では、人は原因と結果という"因果"を求める生き物であるがブレークスルーを起こすものは常に不確実性であることが示されます。不確実な現象に対し、その個々の現象を追求すべきか否か見極めること、その不確実性に対する不安の軽減策として「冗長性」と「安全マージン」を利用することが説明されます。
またブレイクスルーを生み出すアイディアを生み出すキーワードとしては「第一原理思考」と「オッカムの剃刀」の2つが登場します。現状を疑い"本当に必要な要素"に着目し削ぎ落としながらコアとなる機能や性能、サービスなどを見つめ直し、それをもとに再度組み立て直す。そして全く同じ機能やサービスを提供するのであれば「オッカムの剃刀」の思想で"よりシンプルな方を選ぶ"と良いとされています。
ここではやはり他社の真似から脱却するための「第一原理思考」について深く考えされられる章でしょう。また一部の文章からは「オズボーンのチェックリスト」がふと頭をよぎりました。
次に2章のアイディアに磨きを掛けたりテストをするパートでは、人が「アインシュテルング効果」で"こうだろう"と思ったことに固執してしまう傾向を打破するために「戦略」と「戦術」を区別すること、すなわち具体的なHowやWhatといった方法ではなくWhyにフォーカスした戦略を考える重要性が説明されます。
また「正しいテストの目的は失敗する可能性のある、あらゆることを突き止めて、限界点を見つけること」にあるとされています。テストに関してはサービスの性質にも寄ると思いますが何らかのウェブサービスであれば本番と同等にテストし、テストと同様に本番へサービスを展開することが求められます。
アイディアで言うならばIDEO社の例も書かれていますが、実際にサービスを提供する対象をより観察しテスト・観察を行うことも重要でしょう。
最後の第3章では失敗そのものを褒め称えるべきではなく、失敗から得られる教訓を歓迎すべきであること、および結果としての成功は小さな失敗を見逃す原因になりやすく羊の皮を被った狼であることが書かれています。
確かに自分の経験でも「勘」でやったことの結果が成功した場合、それに対して事後検証していないことがあるので反省しなければならない点でもあります。
本書だと事前検証の重要性も書かれているだけでなく、今回はあまり書きませんでしたが「確証バイアス」をいかに打破するかも書かれており、とても良い本でした。
自己啓発本と言ってしまって良いのか分かりませんが、起業家や新規サービスの立ち上げを行っている方だけでなく、社会人に広く読まれると良いほんだなと思いました。
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