[読了]日本版インダストリー4.0の教科書 IoT時代のモノづくり戦略
以前GEの人の話を聞いた時、GEではIoT(Internet of Things)ではなくInternet of BIG Thingsと呼んでいると言っていました。それはGE自体が公共インフラ系事業を行っているということと関係していますが。
GEでは当たり前ですがデータを特に重んじていて例えば飛行機の燃費を1%改善することで削減されるコストは30億ドルと見積もっていたりします。それを解決するためにProduct自体に様々なデータ取得装置を取り付けてダッシュボードで監視したり、改善に結びつけたりしています。
その改善プロセスは時に設計者が現場へ赴き、必要であればヘリコプターの免許も取得して現場へ行き、現場担当者の作業を現場で見ることで「RIGHT Problem」を発見、解決策を見出し、タッグを組んで共に一つの事を成し遂げる。そんなプロセスが回っていたりします。
それは戦略的Alignmentとして回っていたりするわけです。
その原則は「Help every touch point without exception」という一言で表されていました。
本書では日本の産業に対して、かなり悲観的な書かれ方をされていますが、この動き自体は最近始まったばかりで、そこまで悲観すべき問題ではないのではないかと思ったりしています。
ただし当たり前ですが、ぼーっと眺めていると一気に主導権を取られるのは間違いありません。
GEの人だったかは忘れましたが、"特に日本が遅れているとは思わない"という旨の発言もされていました。
この本を読んでいると、やはり日本を悲観的に見ている人は多いんだろうなと、ちょっと思った次第。
IoTとして各種装置に計測装置を付けるにしても現場を知ることは大事です。何を計測することで問題の本質は何かを見出す事。そしてそのデータをどこへフィードバックし、何を改善することで最終的に本質的な問題が解決したのかどうか。
そのPDCAを回す事はハードウェアもソフトウェアも全く変わらないですし、むしろ産業によるかもしれませんが統合的に考えていく事が大事なのでしょう。
そのIoT的な文脈と本書ではユーザ向けにローンチする時の売れる・売れない的な話が混ざっていたりしますが、所謂PMF(Product Market Fit)の概念ですね。
そこに関しては分離して語るべきだと個人的には思います。
どちらかというとPMFについては積極的にKickstarterのようなクラウドファンディングによってFitを計測すべきじゃないかと思ったりしています。必要とあらばローンチの前に微修正をし、またはPivotして完全に別の路線を目指すべきだと思うかもしれません。
個人的にはそんなことを少し考えました。
山田太郎
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[読了]今日からはじめる情報設計 -センスメイキングするための7ステップ
情報過多だったり情報不足だったり、不適切な用語や内容などによって混乱をきたす。そんな状態から意図、現状把握、方向性を決め、KPIなどの達成度を測りつつ目的までの距離が縮まっているかを逐次確認する。
またその一度作った構造をリストラクチャリングしつつ更に大きな目的を目指したり、目的までの到達速度を早めるということがあるでしょう。
普段インターネットの世界で業務をしていると、この情報構造がいかに大切かを肌で感じるところではあります。
本書にも少しだけ関係があると思うのですが、最近個人的に考えているのはウェブサイトの1ページ1ページはフィルタの役割をしているという概念です。デザイン思考の中でもジャーニーマップのような1ユーザ(ペルソナ)のシーケンス的な行動を表す図で不足しているなと思っているのが「モーメント(コンテキスト)」的な概念ではないかと思っていて、本書の中では自宅や勤務先のようなpositionを図に表すことでコンテキストも表していると書いてはいるのですが、少ししっくり来ていなくて実際ウェブサイト1ページではそのページの情報を探しているという意図を持った人の想定と、その人に対する次のステップを示す導線・ボタンなどがマイクロコンバージョンとして存在してる訳です。
そのページ自体にランディングした時の単純なモチベーションだけでなく、意図やマイクロコンバージョンを達成するモーメントにフォーカスをしても良いのではないかと。
うまく書けないのですが、その意図のズレやモーメント・モチベーションのズレがあると結局コンバージョンしないということになります。
本書の"意図表明"の内容なんかを読んでいると、プロジェクト推進というだけではなく1ページごと、または1コンテンツ群ごとにユーザへ意図を表明することで、それが偏光フィルタとして機能し、ページにランディングしたタイミングでは様々なモチベーションだったものがある程度1方向に向き、その後のウェブサイト内のシーケンス的な流れに乗るよう仕向ける。
そういう考えが大事なのではないかと最近思ったりしていました。
そういう意味で、ちょうどタイミング良く本書を読めたかなと思います。
アビー・コバート
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[読了]小さな天才になるための46のルール
本書では
- どうやってイノベーションを起こすのか
- どのように仕事に取り組むべきか
- どのように学ぶか
- どうやって違いを生み出すか
という点から1ルール数ページで簡単にポイントが解説されている。
筆者も特にこの本で真新しいというものはないと書いていますが、どちらかというと何か困った時に開くリファレンス的な本のような気がします。
学び方を学ぶ事だったり、シンプルとは何かを考えるなど、目次を一通りみつつその時にあった処方箋を見るような気持ちが大切なんだろうと思います。
[読了]マインドセット「やればできる! 」の研究
「硬直マインドセット」とは自分に限界を設けていたり、努力によって変化または能力が上がるはずはないという信念で、非常に保身的なマインドセット。過去に「天才」だと褒められたり、「あいつは頭が悪い」などと自分との優劣をつける、または「努力」を悪と考えている人が陥っているマインドセットです。
その一方で「しなやかマインドセット」とは「努力」によって変えられると信じているマインドセットで、何かの分野で大きな失敗をしたとしても、その失敗を糧として「努力」することによって次のステップに進むことができると信じています。
このマインドセットによる違いを本書ではスポーツ分野、ビジネス分野、教育分野などの複数の分野における著名人を例に、その思考でどのようにその人が振る舞い、その行動がどのような影響を与え、結果どうなっていったかを示します。
自分で限界を設ける思考はよく小象に足紐をつけて拘束すると、本当は抜けられる力が出てきたとしても、絶対に逃げ出すことが出来ないという思考に囚われ脱出を試みない~などという話もされますよね。
そんなの当たり前と思っている方でも、例えば自分が「偉い」と見せたいがために部下に強くあたったり、いじめたり…そういう事件や話はインターネット上ではよく聞きます。
完全に「硬直マインドセット」にとらわれてしまっている話です。
日々、折に触れて自問したいと思わせる。そんな本でした。
キャロル・S・ドゥエック
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[読了]複素数思考とは何か。-関係性の価値の時代へ
本書では複素数そのものの振る舞い、複素平面におけるベクトルの振る舞いなども説明されておりますが、この本で新しい概念が提供されるというよりは、現在観察される事象を「複素数」の概念を用いてうまく説明することが出来るというものです。
実数で図ることの出来ない「価値」に対する考え方、関係性に対する考え方、ベクトルの原点としての「私」という考え方、周期性に対する考え方など、確かに「複素数」の概念を一度考えた後に現実を見渡してみると、似たような動きと言っても過言ではないと思われる事象が数々発見出来ます。
私自身、所謂情報の中心であるインターネットの世界で仕事をしている訳ですが、本書を読みながら考えていたのがウェブページの「コンテンツ」に対する考え方です。
何らかのウェブサイトを運営し、それを事業として収益を得ていると、そのページのパフォーマンスの話は避けて通れません。所謂KGIやらKPIなどと言われるようなものですね。
ここではベクトルの原点としての「私」という価値基準に対する考え方を当てはめてみると、ある特定のページを見ている「人」の基準点は皆異なります。その基準点のズレから例えば以下のようにA群の価値基準を持つ人達の集合体とB群の価値基準を持つ人達の集合体が発生してしまうということが容易に有ります。
しかしながら、ある特定の「人」をウェブ運営側が想定しながらコンテンツを構築する、即ちペルソナ的概念を用いてコンテンツ制作を行うのが一般的なため、例えば上の例でいうとA群にむけて作ったページだったりする訳です。
更に「A群である」と予想していた状態でコンテンツを作り始め、そのページでのユーザ行動やゴールの配置などを色々考えて見ると、A群の実際の行動と乖離し始め、最終的にCVRが5%とかそういう低確率になっていきます。
でも実際は見えていなかったB群もコンテンツを見に来ていて、最終的にそのページからのCVRは1%などの数値になる…。
この行動の「ズレ」とは即ち、A群と一括にしてしまった価値基準群の中にもそのベクトル量が違うユーザが沢山混ざっていたりするわけです。またA群と一括にしたものは、本書の点で円を描くのと同様に、何となく基準点を沢山打っていたらその点の関係性からA群という円を観察者が見出したということを意味します。
昨今インターネット事業者が一生懸命IoTなどのセンサー技術やカレンダー、その人の年代、性別、趣味などの情報を通じて捉えようとしているコンテキストというのが「ベクトル量」のことですね。
協調フィルタリングなどは客観的に観察できる行動パターンから似たような行動をしている人は似たようなベクトル量を持っていると仮定した商品などのレコメンド機能と言えます。
行動や数値、検索ワードなどの表に出てきたものから類推するというやり方をインターネットの世界では研究されている訳ですが、IoTやらビッグデータと呼ばれるものの延長として、より人のベクトル量を正しく判定することができるようになっていくのでしょうか…?
佐藤 典司
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[読了]FinTech 2.0ー金融とITの関係がビジネスを変える
FinTechに関する技術的なものというよりも、自社ビジネスへのインパクトや可能性を考えるには良い本です。日本でもブロックチェーンに対するアライアンスが組まれるなど2016年の新しい動きも最近ニュースになっていますが、海外の大手金融機関はいち早くアライアンスを組んで研究に取り組んでいたんですね。
私個人は金融業からもう何年も離れていたので、その辺の情報は新鮮に感じました。ゴールドマン・サックス含め多くの金融機関で構成されているR3というのは恐らくこのサイトでしょう。
2016年に入りFintech系ベンチャーには少し厳しい市場動向が続いています。そして日本では投資額が少ないという現実もありますがマネーフォワードさんなどFintechで積極的に動いている会社もありますし、それほど日本の状況に悲観的な印象はもたず、大手金融機関という巨像に負けず様々な取り組みでdisruptしていって欲しいものです。
合わせて自社サービスの強みを展開出来ないか、自社が入る隙はないかを常に心に置いてニュースを見たいと思います。
楠 真
中央経済社
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