[読了]日本発・世界標準の『新世代One to One & CRM』―2010年‐30年を見据えた究極のマーケティングパラダイム

日本発・世界標準の『新世代One to One & CRM』―2010年‐30年を見据えた究極のマーケティングパラダイム米国型CRMと日本型CRMなど、各歴史を踏まえて単純に米国から輸入される新しいマーケティング用語と手法について礼賛し、導入し、コンサルタントが広めようとする現在の体制について警鐘を鳴らす本です。

海外で唱えられたCRM自体が、日本の越中売薬の先用後利を参考にされた事など、その仕組み自体が米国型に解釈され逆輸入されたものだったりする訳です。

現在のとりあえず新しいと思われるマーケティング手法を導入し、言葉に惑わされている状況は「マーケティング・カオス」と言えるわけですが、その本質である顧客との付き合い方、マーケティングの考え方を考えれば、実は昔も今も何も変わっていないのかもしれません。

本書において顧客との間に良好な関係を築くには以下の2点が重要だという

  • 企業と顧客とが種々のコミュニケーションを通じて相互に学習し、「信頼性」と「親密性」を醸成する(「囲い込み」ではなく「絆」を深める)
  • コミュニケーションの深化・改善を通じて「相互学習効果」の最大化を図る
そして顧客に支持されるためには以下2点にも気をつけなければならない
  • 企業から顧客へ伝達される情報が顧客にとって有益なものであること
  • 苦痛を伴わない快適なコミュニケーションであること
主張としては至極真っ当であり、真新しい主張ではありませんが本書において歴史を紐解き、その根底にある考え方を踏まえて日本型CRMというものを検討する場合にはとても重要だと思える点でもあります。

本書を読み、マーケティング手法に対する視点を拡張することにより、新しい手法を自ら考え評価し、さらに米国型CRM手法を日本に適用させる方法を検討してみるというのも良いかもしれません。


読んでいて少し思ったのは、現在のCRMは再び地元に根付く八百屋の所謂「得意客」と同様に顧客を差別するマーケティングへと向かいつつ有ることに対する懸念です。

海外型CRMを広めるコンサルタントの影響なのかもしれませんが今向かっている日本のCRMが著者から見て日本型CRMの一つの理想的な形と言えるのかどうか・・・それは気になります。

[読了]マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室]

マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室]マクルーハンの「外心の呵責」について精読・解説された本です。
何冊かマクルーハンの本を読んでいたので、「外心の呵責」を一度読んだだけで、なんとなくマクルーハン自身が言いたい事を理解できたような気がしましたが、宮澤さん自身の解説を読むことで、不足していた部分も補えたような気がしました。

第1部は「外心の呵責」についての精読、第2部はマクルーハン自身の生い立ちと人間関係などを解説され、第3部で「地球村」についての説明がなされています。

また本書は講義形式で3部に分かれているのですが、第3部の「地球村」周辺の解説部分は少し難解に感じました。
さらっと読み流そうとして、結局よく理解できなかっただけかもしれませんが。

ただ、入門書と呼ぶには敷居が高いのではないかと思ったりします。

[読了]メディアはマッサージである

新装版 メディアはマッサージである賛否両論の多いマーシャル・マクルーハンの著書を読みましたが、非常に面白かったと思うと同時に、さらっと読めば1時間そこそこで読みきってしまう本書ですが、見開き2ページを読んでは自分なりに少しでも消化しようと妄想にふけるという読み方をしてしまいました。
それでも、未だに見開き2ページの内容を消化しきれずに、次のページへと進んだページもあったので、まだまだ考えが浅いと言わざるをえない状況です。

マクルーハンの「メディア論」を読んでから本書を読むべきだったのでしょうが、とりあえず私なりに思うところを書いてみようと思います。

まずは何と言っても文字の発明です。
文字が生み出されたことにより、学ぶ人は両親だけでなくインターネットの世界によって言葉の壁こそあれ、全人類から物事を学ぶことが出来るようになりました。

そして文字が生まれ、言葉が生まれたことによって分類やカテゴリが生まれました。また言葉によって仕事の効率化、単純化が起こると同時に、言葉を生み出す者によって言論の統制までが可能となりました。
即ち民主主義とはその言葉によりグループ化された集団の大きさの差であるとも言えるわけです。

また文字によって「パブリック」が生まれるとともに、物事が体系化されることによって教えるものと教わるものの立場が発生し、権威が発生したと考えられます。現在ではインターネットという電気的な世界によって時間の概念や空間の概念が薄くなり、その「パブリック」の程度は単純な印刷物という世界から更に広がりを見せており、その言葉や生み出したものを単純にコピーし、時間の概念を超えてリアルタイムに評価されることによって、その言葉を生み出した人物の「権利」というものが重要視され、その価値は増大する一方なのではないでしょうか。

物事の体系化や言葉による業務の効率化、単純化は連続した「直線」とマクルーハンは表現しているわけですが、これは言葉を中心とした世界において、直線を伸ばすにしろ向いている方角を変えるにしろ、過去の歴史を常に意識するものとなったと言えます。

また、その文字によって生み出された直線は教育の現場で、直線を持たぬ子どもへ教え、その直線を子どもが理解していき、完全にマスターした段階でプロフェッショナルと呼べるのです。

直線をマスターしたプロフェッショナルは、その直線を疑う事なく、その直線から反れることが難しくなります。大人は全員直線を教わりマスターした「プロフェッショナル」と表現しても良いと思われますが、その直線をマスターしたが故に思考の固定化、パターン化を引き起こしているのです。

その点でマクルーハンが「芸術」を評価する理由でもあるのですが、芸術とはその固定化した直線やパターンを否定すると同時に、自身の中で複数の違う方向を向いた直線または、全方位に向いた知覚を持って、それを自分なりに解釈して表現されるのです。

マクルーハンの芸術に対する評価とは、即ち現実世界を「知覚」する技術への評価であり、存在するかはわかりませんが、芸術に接点のない人に比べて全く「知覚」の範囲が異なるという点で重要視していると思われます。


新装版 メディアはマッサージである
マーシャル・マクルーハン クエンティン・フィオーレ
河出書房新社
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[読了]「ポイント・会員制サービス」入門―会員組織の構築と改善、成功のポイントと未来戦略

「ポイント・会員制サービス」入門―会員組織の構築と改善、成功のポイントと未来戦略ポイントによる会員制サービスについて調べようと思ってサクッと読んだ本です。

他社事例やポイント大手の動き、ユーザーアンケート結果などザックリと「ポイント」経済圏について調べるには良い本だと思います。

ユーザーアンケートの結果であればネットにもNRIのPDFが落ちていたりしますが。
ポイント戦略の改善を検討されている方や、これからポイント戦略を策定される方は参考にしてみてください。

[読了]今こそ読みたいマクルーハン

今こそ読みたいマクルーハン時々読みたくなるマクルーハンの本を小林さんの書で見つけたので即買しました。

マクルーハン自身の「メディア」の定義は広く、テクノロジーや技術と同義であり、身体・感覚の拡張であると定義されています。

従ってメディアそのものが社会の構造へ影響を与え、また新しい人間の繋がりやコミュニケーションスタイル、情報伝達のスピードなどの変化が生まれます。それは時に感覚比率を狂わせる状況となるため、その技術が社会にすんなり受け入れられない変化だったりするわけです。

また、例えば日本では普通のメディアでも、国や文化圏が異なることによって、隠されていたポテンシャルが引き出されたり、全く新しい価値が生まれたりします。

今で言えばスマートフォンが顕著な例で、PCとスマートフォンのデバイス間連携云々という話を先進国がしているかと思えば、別の国ではスマートフォンだけで文化が構成されていたりします。
そこから全く新しいサービスが生まれているのです。

マクルーハン自身、「私は説明しない。探求するのみ。」と書いているとおり、文章をどうとでも解釈することができる、即ちマクルーハン自身の言葉で言うならば「クール」な文章を沢山残しているとおり、本書を読みながら色々と考えさせられました。

例えば、WEB上のコンテンツは「ホット」すなわち、情報量があり、疑問を持たずに一方的に学ぶことが出来るものが「良いコンテンツ」だとされており、Google自身もそれを推奨しているわけです。
一方でTwitterやLINEなどの日常的なコミュニケーションツールは「クール」なメディアで、その文章だけから全てを把握することはできません。

WEB上のAuthorityは「ホット」なメディアのみに与えられる権限であり、クールなメディアではありません。その意味でGoogleが検索結果にGoogle+の情報を一緒に出すことは、もしかするとユーザーにとってはマイナスの効果しか与えていないのかもしれません。

「感覚比率」に関しては、まだ自分の中で消化しきれていないわけですが、本書で言えば5感の中の「触覚」が重視されていた時代から文字が生まれる事などにより「視覚」が重視される世界へと生まれ変わりました。

イノベーションの世界を考えるのであれば、現状のサービスを改善するような「直線的イノベーション」は現在の「感覚比率」を変動させることがないため、世の中に直ぐに受け入れられるサービスですが、一方で「交差的イノベーション」であれば感覚比率に少なからず変動をもたらし、世の中に受け入れにくいものになる。と説明できるでしょう。

もう一つ重要だと感じた概念が「アフォーダンス」です。マクルーハンのメディア論に照らし合わせるのであれば「メディア」、即ち「テクノロジー」は少なからずメッセージをもたらします。
本書ではミクロ視点やマクロ視点が混ざって説明されているため、何となく理解はできると思いますが、さらっと流してしまいたくなります。

ウェブサイトのホット化、そしてマイクロインタラクションはマイクロメディアと捉え直し、再度WEBとは何か、コンテンツとは何かを考えてみるのも面白いのかもしれません。
WEB上で人はHOTなメディアを探している一方、これから拡大していくIoTは完全に「クール」なメディアな市場です。その「クール」をトリガーとして利用するだけなのか、新たなメディアとしての意味付けが生まれるのかは分かりませんが、一つの「インターネット」というまるっとした概念ではなく、市場そのものを「ホット」と「クール」に分けて見ると、新サービスを考える上で新たな視点を提供してくれるかもしれません。


今こそ読みたいマクルーハン
マイナビ (2013-10-23)
売り上げランキング: 16,447

[読了]数字オンチの諸君!

数字オンチの諸君!訳者も迷ったという本書のタイトル「数字オンチ」。原題は「Innumeracy」。

数字的な感覚に疎いとエセ科学にハマりやすかったり、簡単な数字的解説に騙されたりする。

本書では著者ジョンが言うには「数字オンチの人の大きなく特徴のひとつとして、偶然の一致が起こる頻度を極端に低く見積もる傾向があげられる」と述べられている。

ここからもわかるように、本書では頭の体操と言わんばかりに、ある現象が起こる確率、起こらない確率の話が沢山出てくる。
中には、以前「地頭力」として話題になった「フェルミ推定」的な話も多い。

例えば、日本の富士山を切り崩して、ダンプカーで土を全部運びだすのにどれくらいの時間がかかるか・・・とか。

日本だとどうなのかは分からないけれども、百分率、小数、分数を相互に変換するということが難しいと感じる人も多いみたいです。

そんなに数字に対して抵抗はないので、「オンチ」という程ではないかなと思ってはいたものの、本書を読んで「オンチ」だと確信しました(笑)
さらっと読むと、「うんうん。合ってる」と思ってしまう数値計算も、実は全然違う。それを利用すると、一見確率は平等だと思われる賭け事でも66.6%の確率で必ず勝てるゲームをしかけることもできる。

ハッとさせられて、頭の体操にもなりますが、通勤時に読んでいたので腰を据えてちゃんと計算しながら読みたいなと思いました。


数字オンチの諸君!
ジョン・アレン・パウロス 野本 陽代
草思社
売り上げランキング: 137,611

[読了]プライベートエクイティ 6つの教訓 経営のための知恵袋

プライベートエクイティ 6つの教訓 経営のための知恵袋 (MEMO TO THE CEO 1)プライベート・エクイティ・ファンドはWikipediaにあるとおり「複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金を事業会社や金融機関に投資し、同時にその企業の経営に深く関与して「企業価値を高めた後に売却」することで高いIRR(内部収益率)を獲得することを目的とした投資ファンド」のことです。

そのプライベート・エクイティ側の視点から見た「産業の理論」と「金融の理論」のベースを説いた本ですが、いかに企業として利益モデルを描き、追求し、必ず達成をしていくのかが端的に纏められていて良い本だと思います。

会社の「キャッシュフローをどこまで増やせるか」という「フルポテンシャル」を追求するために外部環境分析として、「需要創出要因分析」、「顧客分析」、「競合分析」、「環境分析」、「ミクロ経済分析」などを使い、ファクトを集めるとともに、中長期視点で3~5の主要なイニシアチブを特定していくことが必要となります。

いかにしてフルポテンシャルを見極め、ブループリントを策定し、成果を加速させていくか。
教訓として紹介されている6つの事柄はプライベート・エクイティ・ファンドではなくとも、業務に直接役立つ内容ばかりが紹介されている印象です。

良い本でした。