[読了]プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32

プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32井庭さんのパターン・ランゲージ本で今回は「企画」を作る側の人を対象とした本です。

今回梶原さんへのインタビューを通じて抽出された32のパターンランゲージがまとまっておりますが、本書の32パターンだけでも企画人同士の共通言語としての役割は非常に大きいと思いますが、それ以外に自分で取り組んでいる業務から抽出したパターンというのも一旦徹底リストを作ってみるというのも良いなと思ったりします。

自分の中でセオリーとして完全に確立していても言語化されていない事って有りますよね。そして最近ブチ当たっているのが1年前くらいまでは専門でやっていたけれども暫くその業務から離れていた…でも「あの内容は専門でしょ?」ということで話をもらうことが増えていて、「どうやってたっけ?」と自分のセオリーだと思っていた事が頭からすっぽり抜け落ちている…。それを防ぐ意味でも普段からある程度パターン化しておく事の重要性というのは感じていたりします。

質の悪いことに昔専門だったりすると、「任せてくれ」と言ってしまうところですね(苦笑

パターン・ランゲージには「状況」「問題」「解決」「結果」という4項目が必ず入っていますが、何らかの状況に陥った時に「この本に解決アドバイスが入っていたな」と気づける事も重要だと思うので一度全パターン読んでおくのも良いでしょう。


[読了]馬を飛ばそう

馬を飛ばそうIoT提唱者である筆者は何も特別なクリエイティブ能力を発揮した訳でもなく単純に仕事上の疑問、それに対するアプローチを突き進んでいただけだった。そんな「クリエイティブ」に焦点をあてた本で、直近もてはやされているような"革新的なモノ"を過去、どのように生み出されてきたのか。

そこにはもちろん何も無いところからパッと出てきたり、天からアイディアが降りてきた…なんてことは存在せず、みな地道な努力をしてきているわけです。

「創造はインスピレーションではなく実行だ。アイデアを持っている人はいくらでもいるが、それを実現しようと段階を踏む人は殆どいない」のです。

本書では科学の闇を色々と知ることになりましたが、ジュダ・フォークマンの例なんて不遇という一言では済まされないほど…
そんなフォークマンの座右の銘「アイデアが成功すれば、忍耐があると言われる。成功しなければ、頑固ということになる」という言葉は非常に重い…。でもその通りな気がしました。

また一方で、その時に常識となっているものを否定し、ひっくり返す主張には、それに釣り合うぐらい非凡で重要な証明が必要となるというのもまた然り。一旦常識となってしまうとその常識から外れるようなデータは無視されてしまうものなのです。それはその道の専門家になればなるほど無視してしまう確率は高まるでしょうし、常識を信じれば信じるほど同様に高まるでしょう。

それはアイデアを思いついたり何か新発見した側にも同様に言え、他人からの意見を無視することに繋がったりすることで、自らの研究生命や最悪自らの命を落としてしまうことに繋がるやもしれません。

「自信は自分を信じることだが、確信は自分の考えを信じることだ。自信は先へ進む橋になるが、確信は道を塞ぐ壁になる。」のです。

普段の生活で「なぜこれだとうまくいかないのか?」「これをうまくいかせるにはどうしたらいいか?」と思ったら、それは創造のチャンス。まずは始めてみよう!始める前にできることはただ一つ「始めそこなうこと」だけなのです。そして何度も何度も。
可能なら実際にやってみせよう。


馬を飛ばそう
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[読了]ハーバードで学んだ脳を鍛える53の方法

ハーバードで学んだ脳を鍛える53の方法脳を鍛えるための秘訣、それは「ワクワク」という感情であり、その「ワクワク」から来る原動力を利用して成功をつかむという内容の本書。

紹介されている53の方法はそんな「ワクワク」を発見するために、例えば意識下にある固定概念を意識上にあぶり出し少し外れた行動をしてみたり、日常的に行っている習慣に一手間加えてみたりと、今すぐ実行に移せるものばかりが紹介されています。

読む人によっては紹介されている53の中には既に実行していたり、皆言っているなぁと思われるものも含まれているかもしれません。

自分自身、すぐネガティブ側に思考が向きがちだというのもありますが本書で紹介されているものの幾つかは試してみようと思いますが、なんか最初の方にかかれている「ありがとう」じゃないですうが、「あーネット上にこういう人いるいるww」とかって思ってしまう自分がいる。

ま、露骨に文字化してネット上で拡散しているからなんでしょうかねー。

最近自分に対して凄く思っているのは、今まで理論型の人間かな?と思ってはいたのですがここ数年位、やっぱり感情型なのかも…と思っているところです。

[読了]これからの「売れるしくみ」のつくり方 SP出身の僕が訪ねた、つくり手と売り手と買い手がつながる現場

これからの「売れるしくみ」のつくり方 SP出身の僕が訪ねた、つくり手と売り手と買い手がつながる現場「広告」や「コミュニケーション」、そのベースとなる概念は変わらないにしても手法や技術は常に変化しております。

本書では筆者の所属する「博報堂ケトル」での手法や考え方を一望し、「博報堂ケトル」がなぜそのような組織体となったのか、あるいはならざるを得なかったのか、という部分も実際の成功ケースを通して見ると何となく理解できる。そんな本のように感じました。

タイトルにあるように「売る」というゴールに対して成功しているパターンを紐解きながら、売れるために必要な要素を"自転車を漕ぐ"という擬似的な絵を使いつつ説明をしていきます。

ちょっと不思議だなと思う図もありますが、各成功事例において共通なものは「共感」かな?と思いました。

まだちょっと雑な状態ではありますが、例えばヴィレッジヴァンガードさんの例。


田之上さんという方が起点となり、田之上さんとスタッフで思想が共有されており心的距離もかなり近いと思われます。
そしてスタッフが売り場を自由に作るわけですが、その上での「スタッフ」と「卸し」との距離感と、「卸し」と「メーカー」の距離感は等距離なのではないかな?と思ったりします。「アーティスト」側との距離はもう少し近いのかもしれませんが、最終的に「売り手」の作った世界観に対する共感が「売れる!」に繋がるのかな?と。

そういう意味では、少し図の位置に違和感があったりしますが自転車の駆動部分をベースに図が描かれているのでしょうがないのかな?とも思いつつ。(問題はそこじゃないw

「売れる」という部分に対するアプローチとして、確かに成功事例ごとに様々なアプローチをしてはいますが、もう少しmeta的に一旦俯瞰してみるのも良いのかなと思ったりしました。

本書内で「デザイン思考」という言葉が一回だけ出てきますが、売れるまでのストーリーを作ったり、多面的に買い手側へメッセージを伝える部分は非常にサービスデザイン的で良いなと思うと同時に、デザイン思考では「売る」という部分に対するアプローチが「Hopefully」(売れたら良いな)に偏りすぎているのかもしれない…と少し思ったりしました。

確かにデザイン思考でタッチポイントを考えたり、ユーザストーリーを考えたり、インタラクションデザインを考えたりと様々検討はしているものの、僕が深く勉強していないだけかもしれませんが主体的に「売る」というアクティブな部分については、あまり考慮されていないような気が少ししてきました。その気づきが得られただけでも凄く良かったですね。個人的には。


[読了]分類脳で地アタマが良くなる 頭の中にタンスの引き出しを作りましょう

分類脳で地アタマが良くなる 頭の中にタンスの引き出しを作りましょう「分類」というのは無意識に皆行っている行為です。
「分類」とは「似て非なるものの違いや差に気づいて、分けること」と説明されていますが、分類しているからこそ●と■の違いを識別できたり、好き嫌いを言えたりする訳です。

「分類」はheterogeniusとも関係が深くて、分類するということは特徴量を掴んで、その特徴をもとに共通なものを一つのグループ化できるということです。

普段ビジネスではロジカルにロジカルにと考えますが、アイディアを出すとかそういった視点では逆にこの「分類」の考え方が重要になってきます。

「分類をすることで、基準や尺度が明確になる」と石黒さんが述べている通り、分類を意識的に行うとその物事に対する基準や尺度が生まれてきます。
一度その尺度を作っておくと、次回からは瞬時に物事を判断できるようになり、また似たような内容から全く別の事象に対しても応用することができるようになります。

そういう意味において、「分類とは、ロジックでクールに考えること。エモーションはむしろ排除すべき」という書き方をしています。

ビジネスの現場ではWHAT、HOW、WHYあたりを中心に考えロジカルに物事を考えます。
本書ではWHATとHOWの間に「分類」が入っているような図が出てきていましたが、普段ゴール側から考えていたので、ちょっとアプローチを変えなければならないなと思うと同時に、本書で「分類」自体誰もがやっていることだと言われてしまうと"意識的な分類"ってなんだっけ?と読みながら時々感じたりしました。

早速といいますか、新しいビジネス案件が多いので「分類」という概念を挟みながら検討をしていき、意識的な分類行為に慣れていこうと思います。


分類脳で地アタマが良くなる 頭の中にタンスの引き出しを作りましょう
石黒 謙吾
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[読了]稼げる記憶術

稼げる記憶術 (アスカビジネス)私自身、記憶力がないと錯覚している張本人ではあるわけですが…記憶に関するイロハがかかれており、非常に具体的、記憶に関するメカニズムだけでなく、ビジネスに直結する記憶という側面に重きをおいて書かれています。

いつも本は読んでも、その時自分がハッと思ったり、本との対話という意味で何か考えた事だけが頭に残る、そして別にそれでイイやと思ってはいたりしますが、本を要約してみたり、すぐに知識として取り出せるほうが良いものも有ります。

記憶するということは記憶を整理するということにほかなりませんが、本書では

  • グループ化、階層化
  • 順序化
  • 図解化、図表化
など、記憶術については基礎知識として提示しているわけですが、そんなの知っているよという人も多いでしょう。

重きが置かれているビジネス面に関しては、この記憶術の「グループ化」だとか、「図解化」だとかいう明示はありませんが、人の名前を覚えるという部分では図解化を駆使していたり、プレゼンでは順序かと図解化、図表化を組み合わせて使っていたりと結局応用をしているということに気づきます。

まだ1回サラッと読んだだけではありますが、今日からでも使える知識が詰まっており、ビジネスにおけるシーン別にパラっとめくってアドバイスをもらうという逆引き的な使い方も出来る良い本だと思います。

本のタイトルは非常に怪しげではありますが。

稼げる記憶術 (アスカビジネス)
矢沢 大輔
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[読了]IoTビジネスモデル革命

IoTビジネスモデル革命IoT/IoEがここ数年騒がれるようになり、様々なコンセプト商品が登場し、その一部は実際に販売もされ始めています。必然的にビッグデータと同じ議論で話題になることも多く各社がこの分野にいち早く参入し、リードしたいという思惑が見え隠れします。

本書では小林さんらしくマクルーハンの言葉が引用されていますが、私達は過去または現在に囚われがちで、to beという未来視点で物事を見る事が難しい生き物です。

そのため「ある行為のどこに注目し、どのようなデータを集めるのかは、なかなか難しい問題」であり、更に「それをどう加工することで、どのような情報が生まれるのかを考えることで、IoTシステムは思いがけない広がりを持つことになる」のです。
新サービスを立ち上げる時に同時に解析設計として「何のデータを取得すべきか」をいくら検討しても漏れが発生してしまいます。

また仮に様々なデータを取得出来るといった場合、そのデータから予測・最適化を行う作業を行うという局面ではデータは巨大化しやすい事からIoT / IoEは「ビッグデータ」と一緒の文脈で語られることも多いわけですが、to be視点で最初から「どのような情報」を取得するとどのような事象に対して予測・最適化が可能となるのか、最終的にユーザの生活・行動等の改善に繋がるのかが予測出来ている事が望まれたりしますが、それも非常に難しいと言わざるを得ません。

現在議論されているIoT / IoEの文脈は単純なInputとそのデータを途中クレンジングする処理は入るかもしれませんが、基本的には直接Outputする形が殆どのように感じています。これはIf This Then Thatの形式ですね。センサー等から情報を受けてそれをウェブやスマートフォンで見れたりと非常に単純なプロダクトが多いと感じます。


もちろん、この単純なInputとOutputだけで生まれる価値も沢山あるでしょうが、今後はもう少し様々分岐したり必要なデータを組み合わせて価値を生むというパターンが増えていくと思います。このあたりについては色々と考えてみたのですが、ハードとソフトの両方の知識があるととても良いような気がしたりしています。

図ではManageと書いてしまいましたが、InputのManageではなく受け取った情報を組み合わせて新しい価値をOutputするような…。なんて書けば良いんでしょうね。


ハード面でのON/OFFというインタラクションが即座にソフトウェアの0 / 1に頭のなかで変換出来るとか、圧力を例えば0 -> 100の尺度で表せるとか、そういうハードとソフトがくっついて知識として存在していること、そしてソフトウェアのLoop文やCase分岐などの知識があることで、例えばドアの解錠例にもある通り、インクリメントした数字が奇数だったら解錠、偶数だったら施錠みたいな実にコンパクトなシステムをつくり上げることも出来るのです。

そういう意味でハード的な知識とソフト的な知識が両方ある方がサービス展開としては強いのではないかと思ったりしています。本書内での山手線トレインネットの仕組みは本当に面白いですね。
調べたことは無かったものの電車の回生ブレーキシステムをそのままソフト側で「混雑率」としてデータを利用すると。これこそまさにハードとソフトが組み合わさりソフト面ではユーザが「欲しい」と思われるようなOutputの仕方だなと思ってしまいました。

さよなら、インタフェース -脱「画面」の思考法
また本書内で登場する解錠・施錠のようなドアの例が登場するわけですが、「Akerun」の具体例を見ていて咄嗟に「さよなら、インタフェース」という本を思い出し、"なんでスマートフォンの画面操作が必要なの?"と思いました。

Akerunについては本書で初めて知ったので認識が違うのかもしれませんが、ドアの解錠・施錠操作にスマートフォンが必要な理由は何か?という点については「さよなら、インタフェース」で具体的に指摘されているわけですが、ユーザ操作は不要なのではないかと思うのです。

サービス思想としてユーザ側で作業しなくてもコンテキスト情報などを使って自動化出来るものは完全に自動化し、インタフェース自体を無くす事を目指すという考え方が「さよなら、インタフェース」の主張であるわけで、尽くインターフェースを無くせと書かれている訳ではないのですが、この考え方はとても重要なのではないかと思っています。

スマートフォン操作というタッチポイントが無くなると、ブランディングという意味では厳しいのかもしれませんが、UX観点ではこのアプローチがとても良いと思います。

即ち、スマートフォンとドアの鍵がBluethoothやWifiなどで通信することによって解錠/施錠処理がプロセスとして完結可能であるならば、ユーザがスマートフォンを立ち上げてアプリを立ち上げた後にボタンを押すみたいな「作業」は一切無くすべきだという思想です。

例えばAndroidだとこの「Tasker」というアプリがあります。実はこのアプリを使って少しずつ擬似的にNo Interface化していたりします。

私の登録例を一部紹介すると、自宅にいるときにつかむ携帯会社アクセスポイントをTaskerに登録しておき(自動検出してくれます)、そのアクセスポイントに接続したらWifiを自動的にONにするように設定してあります。

即ち、自宅に近づいた時点まではWifiはOFFの状態ですが数百メートルまで近づくとWifiの設定が自動的にONになります。さらにWifiがONの状態で自宅のWifiを掴んだら「自宅にいる」と判定し、着信音量設定がバイブレーションモードから音声ONに切り替わリます。

これと同じようにコンテキスト情報をうまく利用することで自動化出来るものって身の回りに沢山ありますよね?
IoT / IoEではそのような世界が望まれるのではないのでしょうか?1社のアプリでは難しい気もしているので本当はPlatform側がそういう連携の仕組みを推進すべきではないかと思ったりしますが。

また本書ではカーシェアリングサービスについても書かれており、その部分でも少し気になる部分がありました。
サービス利用ユーザが車を返却時にガソリンを全く入れなかった…などのマイナス面については次に利用するユーザが前のユーザを評価し、ポイントを下げたり上げたり~という仕組みの部分です。

最初はOnline上における人の評価という意味で若干"ソーシャルDRMっぽいしイイかも!"と思ったのですが、なぜ利用ユーザへデメリットを押し付けるのでしょうかと直ぐに思いとどまりました。
もちろん車メーカーとの交渉なども必要な産業のようなので、そういうサービスに留まっているのかもしれません。

システム思考をはじめてみよう
でも個人的には「即時フィードバック」を上手く使うべきだと思うのです。

例えば人は水道を使っている時にリアルタイムで水道料金をデジタルで表示してあげると節水を心がけるようになるでしょうし、電気も室内にコントロールパネル的なものを配置し利用料金をリアルタイムに表示してあげると節電を心がけるでしょう。

今は電力会社社員しか見ないということで電気メータもイケていないデザインで何十年と変化がありませんが、インテリアの一部のようなおしゃれなデザインで部屋に持ち込む事で節電も心がけるでしょう。他にも「即時フィードバック」により行動を改善するという実例は沢山あります。

カーシェアリングサービスに関して"車内を汚した"とかの評価に関しては「即時フィードバック」は無理かもしれませんが、ガソリンを入れる入れないという部分や運転の荒さなどに関しては即時フィードバックしながら、その場でポイントが見えたりなどを行うと、利用者自身の行動が変わったりすることはあると思うのです。

もっと言えばレンタルする時間が事前に分かっており、かつ車のGPSデータも分かると思うので、レンタル残り時間が短いとか、カーナビの設定場所としてレンタルサービススポットが設定されたとか、車の位置とスポットとの距離が移動によって継続的に短くなっているなどの情報を活用することで、自動的にガソリンスタンドがカーナビの寄る場所としてセットされて誘導されたり、音声アナウンスされたりと色んなサービス展開が出来るはずだと思ったりします。

即時フィードバックという視点では、そういうハード的なサービスではなく「ウェブサービス」を考えた場合も非常に少ないと思う事があります。ビッグデータとして企業に蓄えるという議論は多いのに、閲覧ユーザの行動からリアルタイムにコンテンツを変えていくような。いや、AdobeとかCXENSEとかもそうなのかな?実際あるにはあるけど少なすぎる。少なくともGoogleはやっていないような気がします。

またサードレール問題である個人情報・プライバシーに関しても少し言及しておきたいと思いますが、IoT / IoE分野について今議論されているようなサービスでは「情報コントロール」の主導権がユーザに無いことこそが問題だと常々考えています。

企業側として全ての情報を取得したいという気持ちはもちろん分かりますが、現状の企業はユーザを見ていないとしか思えません。

以下簡易的に描いた図はフワッとしてしまっておりますが、例えば病気の情報などのセンシティブ情報に関してはデバイスとユーザだけで共有され、企業側のDBには蓄積されないというデバイスからの即時フィードバックのみに止め、行動情報などはビッグデータとしてサーバに蓄積するなど、情報レベルによって保持する場所や扱い方を制御出来ないかと思っていたりします。


もちろん端末データ破損や端末自体の紛失でデータが全て失われる事で提供サービス自体の価値が失われてしまうという問題はあるでしょうが、現在個人情報を気にしてユーザが企業に提供したくないという事だけで、そういうセンシティブ情報を元にしたサービスが全く生まれないという環境もどうかと思ったりします。

様々なインセンティブを見せることで提供を促すという現在行われているような努力を企業が一生懸命継続するというのも分からなくもないですが…。
また公共的な意味で、提供される情報によって犯罪が未然に防げたり、何かの役に立つのであればそれを明示すれば提供する人は多くなると思いますので、センシティブ情報でも取得したい場合はそういう用途をどんどん開示すべきなのでしょう。

情報を提示することで「広告が最適化されます!」とか、そういった内容だと個人的に広告は基本的にブロックしたい立場なので全く提供したくなかったりします(苦笑

UNIXという考え方―その設計思想と哲学
情報を提供することによる「パーソナライゼーション」的なサービス展開もあるとは思いますが、ユーザ固有のページや見せ方の話をするときにいつも思い出すのが「UNIXという考え方」ですね。

UNIX文化の一つとして「好みに応じて自分で環境を調整できるようにする」という思想が書かれています。その内容は「UNIXのユーザーは、自分の思いどおりに環境を手直しすることを好む。UNIXアプリケーションの多くは、その対話スタイルの選択についてユーザー に広い自由度を与えている。」と説明されています。

一般的に議論される「パーソナライゼーション」は自分で環境を調整するという能動的なものではないかもしれませんが、"カスタマイズされた環境"という意味では同一のような気もしますし、その環境がユーザにとって有益なものであればユーザがそのサービスから離れ難くなる可能性があると思います。

UNIX思想のようにユーザ側で設定を変更することでカスタマイズ出来るという方が良いのかもしれませんが、そのようなカスタマイズというのは今のウェブサービスとしては時代と逆行しているのかもしれません。その辺りはバランスなのかもしれませんが。

色々と読んでいてあーだこーだと考えを巡らせてきましたが、本書を読んでいると自社サービスについて色々と新しいサービスを思いつくこともあるでしょう。
Akerun」の方のInterviewにあったように「マスト・ハブ(絶対に必要なもの)」と「ナイス・トゥ・ハブ(あればうれしいもの)」という意味では今現在のIoT / IoE分野で登場するサービスは後者の方が圧倒的に多いと思いますが、前者側のサービスを提供するにはどうすればよいのか、もう一度考えていく必要がありますね。

※そういえば802.11ah HaLowの名称も正式に決定となり今後省電力でのWifiというものも一気に広がっていきそうですね


IoTビジネスモデル革命
IoTビジネスモデル革命
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小林啓倫
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